理念

 

 初心者や世界にも開かれた俳句交流の「場」として、ポスト「結社の時代」を担う俳句界のフロンティアとして、近代俳句の超克から新しい現代俳句の復興に貢献することを目標とする。

 

ミッション

 

 情報化社会の高度化に伴って、すでに俳句の世界には画期的な構造変革がおこりつつあります。旧来の句集や総合誌といった紙媒体を介さずに一個人がインターネットによって全世界に自らの俳句を発表できる時代です。それに伴って今や海外における俳句愛好家はますます増加しています。そして、最近では、特に近代俳句を批判して芭蕉の誹諧精神へ戻るべきというような意見も見られるようになりました。もっとも、未だに近代俳句に固執する国際的な俳句も多く作られており、今、「俳句=Haiku」とは何かという本質的な問いがが海外から探求され始められています。そこで私たち日本人ももう一度、芭蕉の誹諧精神に基づく真に伝統的な俳句の詩的創造性の在り方を見直して、世界における俳句との相違を認識して、日本の伝統的な誹諧精神とその詩的創造性を広く知ってもらう必要があります。もっとも、言葉は単なる記号ではないし、それらを裏打ちする文化的背景も違うなかで、伝統的な俳句の詩的創造性を外国人に理解してもらうのは至難の業です。しかし、そうした努力は必要であり、それが俳句大学の課された一つの使命でもあります。

     

                                         201511

                                     俳句大学学長・永田満徳